ロタウイルスワクチンは、2020年10月より定期接種化されます。
対象は、2020年8月1日以降に生まれたお子さんで、10月1日以降に接種した場合に定期接種(無料)となります。
ワクチンについて
ロタウイルスワクチンはロタウイルス初感染時の胃腸炎の重症化や合併症の予防に効果があります。
ロタウイルス感染症について
ロタウイルス感染症は、年齢にかかわらず何回でもかかりますが、初感染時が最も重症になり、その後感染を繰り返すにつれて軽症化します。胃腸炎が主ですが、脱水、けいれん、肝機能障害、腎不全、脳症などを合併することもあります。ロタウイルスに効果のある抗ウイルス薬はありません。ほとんどの場合は特別な治療を必要とせず、1週間ほどで自然回復しますが、重症脱水や合併症を併発した場合は入院が必要になることがあります。特に重症化しやすいのは生後4ヵ月から2歳未満の乳幼児です。
ロタウイルスは感染力が強く、衛生状態が整っている先進国でも感染を予防することは簡単ではありませんが、ワクチン接種による重症ロタウイルス胃腸炎の予防効果は約90%とされています。
接種スケジュールについて
初回接種を生後6週に行うと、他のワクチンを受ける際に4週以上の間隔をあけなければいけないことから、Hibワクチン・肺炎球菌ワクチン・B型肝炎ワクチン等(標準的に生後2ヵ月に開始するワクチン)の接種開始が遅くなってしまいます。そのため、初回接種は生後2ヵ月時に、他のワクチンと同時接種を推奨します。
ロタウイルスワクチンの副反応として、腸重積症(腸管がはまり込むようにして腸閉塞を起こす病気)があり、初回接種が生後15週以降になると自然発症の腸重積症が急増する時期と重なるため、初回は生後15週未満の接種が推奨されています。